むかし、永六輔さんがラジオで
「『私、ママさんバレーをやっているんです』なんていう人がいます。自分たちのことを『ママさん』だなんて『さん』をつけて言うのは、これはおかしいことですね」
というようなことをおっしゃっていまして、僕も、「そうだよなあ」と思っていました。
街には、「町の時計屋さん」とか「こだわりのかばん屋さん」とか「はんこ屋さんなんとか」などという店がたくさんあります。親しみを表現したいのだろうけれど、自分の店を当たり前のように「さんづけ」にしている看板を見るたびに、僕は永六輔さんのあの言葉を思い出してしまうのです。
最近の若い人たちは、自分の親のことを、「わたしのお母さんは料理が上手なんです」とか、「僕のお父さんはおもしろい人で」とか、仕事の会話の中ですら、「さん」づけにして言う人が多いようです。
これは若い人だけかと思ったら、けっこう年齢が高くて知的で通っている有名人がテレビで、「僕の奥さんが」などと言っているのを聞いて、びっくりしました。
どうも、僕としては気持ちが悪いのです。
でも、自分のことを「カリスマ・セラピスト」と称している僕は、きっと、もっともっとヘンに思われているのでしょうけれど、やっぱりちょっとそれとは違うことのような気がします。
自分を棚に上げるわけではないですが、「カリスマ・セラピスト」は、いわば確信犯ですが、「ママさん」とか「お父さん」「奥さん」には、なにか無邪気で悪気がなくて、それだけに気持ちが悪い気がしてしまうのです。
まあ、どうでもいいような瑣末なこだわりではありますが。